以前は夜尿症の原因として本人、家族の心の問題あるいは育て方の問題であると考えられていました。現在では「夜尿症は遺伝的背景による排尿機能の日内リズム(夜間睡眠中は尿量が低下し、膀胱容量は増加する)の身体的な発達の遅れにより生じている病気であること」が明らかになっています。残念ながら現在でも夜尿に対する誤った考え方が医療関係者を含めた社会にみられ、こうした誤った考え方が改まることが夜尿症児本人、保護者の大きな救いとなります。
●夜尿は親の育て方に問題がある
まったく関係ありません。稀に虐待がきっかけで夜尿、尿失禁が出現するお子さんもいます。また、夜尿、尿失禁があることによる虐待もあるようです。
●夜尿は本人の自覚が足りないため
まったく関係ありません。睡眠中の出来事である夜尿には、昼間に自覚することの影響は受けません。
●夜尿は起きてトイレに行かないため
子どもでは睡眠中に起きることは問題です。睡眠中の尿意で目覚める浅い睡眠は子どもにとって最も大切な成長に影響します。
●夜尿はストレスのため
関係ありません。日常生活は沢山のストレスに見舞われますが、夜尿の根本的な原因ではありません。
●オムツ、パッドをしているから治りが悪いのでは
まったく関係ありません。本人の意向に従うことが大切です。
●尿失禁は我慢しすぎてトイレに行かないため
我慢できないためにです。尿失禁は遊びに夢中でトイレを我慢した時などにみられ、膀胱の貯めが不十分なために生じています(切迫性尿失禁)。我慢しても尿失禁がみられなくなるのが目標です。
●昼間の尿失禁は量が少ないので気にしない
尿失禁は大量ではありません。夜尿と違い昼間の尿失禁は少量のことが大部分です。昼間の尿失禁の有無は、夜尿の自立に大きく影響します。
●本人が尿の汚れに無頓着なのは感覚に異常がある
異常ではありません。夜尿、尿失禁がなくなれば尿の汚れを気にするようになるものです。
●排尿を我慢すると膀胱炎になる
なりません。尿そのものには細菌は存在しませんから、排尿を我慢しても膀胱炎にはなりません。膀胱炎の時は排尿を我慢しないでください。
●夜尿、尿失禁は大人になれば自然に治る
ごく一部に、大人なっても治らない人がいます。思春期以後も夜尿の頻度が多いと大人になっても覚醒排尿ができずに夜尿が続く大人がいるようです。